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ボール弁のポケットについて(異常昇圧)2025.01.08
ボール弁のポケットとは
今回はボール弁の構造に関するお話です。
ボール弁はその名の通りバルブ本体の内部にボールを有する構造となっております。
ボールは上流側と下流側に配置された2枚のボールシート(弁座)で支持され且つシールもされています。
このボールと本体間の、シートによって密閉されている空間が「ポケット」と呼ばれる部分です。
使用条件によっては、このポケット部に「異常昇圧」が発生することがありますので注意が必要です。
異常昇圧とは
異常昇圧とは、ポケット内に密閉された物質が熱膨張することによって圧力が過度に上昇する現象です。
具体的には…
・高温の流体が流れることによりバルブ全体の温度が上昇。
・ポケット内の物質が熱膨張し、内部圧力が急激に上昇。
・圧力の異常な上昇により樹脂製のシート等が変形。
といった流れで発生し、封止性能や動作に悪影響を与えます。
異常昇圧の対策①
この現象の対策として、弊社のボール弁にはボール上部に均圧孔を設けています。
均圧孔を通じてポケット部が流路と同圧力となるため、異常昇圧が防止できます。
このタイプのバルブには流れ方向の指定がありません。
異常昇圧の対策②
異常昇圧は、高温の流体を流しているバルブ全開時に発生する可能性が高くなります。
流体温度がさらに高い場合や、配管やバルブに保温施工している場合には
全閉時においても配管からの熱伝達等の影響を受けてポケット内の温度が上昇し、異常昇圧が発生する場合があります。
全閉時はポケット部とボール内部(流路部)も密閉空間となります。
ボール上部の均圧孔が機能しない状態です。
この様な条件の場合には、ボール表面の上流側に均圧孔を設けます。
均圧孔を通じてポケット部が流路と同圧力となるため、全閉状態においても異常昇圧が防止できます。
温度が高く熱膨張が大きな流体(蒸気など)に使用する場合は、この対策が必須となります。
但し、この仕様では「流れ方向」 が指定されますので選定時にはご注意ください。
「EGシリーズ」「SHシリーズ」は標準対応、その他のモデルはオプションで対応可能です。
(オプション対応時は上流側のシートに均圧溝を設けます。)
異常昇圧の対策③
異常昇圧はポケットが存在することで発生する現象です。
構造的にポケットが存在しないバルブを選定することも手段の一つです。
弊社のラインアップの中では、
トラニオン構造ボール弁でモノシートタイプの
ハイパフォーマンスバタフライ弁
「DNシリーズ」
が該当します。これらのモデルも是非ご検討ください。
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日本バルブコントロールズでは、多彩なラインアップに加え、用途に応じたオプションも多数ご用意しております。
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