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同じ呼び径でも内径が違う?2022.09.01
ボールバルブのサイズ
以前に紹介させていただいた「バルブサイズの呼び方」のページは弊社ホームページの中でもコンスタントにかなりのアクセスをいただいております。
それだけバルブの呼び径の表現が分かりにくいということなのでしょうか?
今回は呼び径と実際の流路のサイズについてのお話です。
呼び径とは「バルブの大きさを表すための呼び寸法」と定義されていますが
同じ呼び径でもバルブの内部流路サイズが異なる場合があります。
フルポートとレデュースポート
バルブの呼び径は、どのサイズの配管に接続できるのかを表しています。
もう一つのサイズの要素として、ポートサイズがあります。
ポートサイズとは、バルブ内部の流路のサイズを表します。
ボールバルブのポートサイズには大きく分けてフルポートとレデュースポートがあります。
弊社製品には他にスタンダードポートと呼ばれるモデルもありますが、これについては後述します。
フルポート
バルブ内部の流路が、接続する配管内径とほぼ同じサイズとなっているタイプです。
(ほぼ同じと表現しているのは、スケジュール番号によって配管の内径は若干の違いがあるためです。)
フルポートの二方弁は寸法および形状ともに前後配管とほぼ同じですので
バルブ全開時の圧力損失が小さく、大流量を確保したい用途に最適です。
レデュースポート
バルブ内部の流路が、接続する配管内径より小さくなっているタイプです。
レデュースは英語表記だとReduce、ザックリと「少なくする、減らす、縮小する」といった意味の言葉です。
レジュースやレデュース等、複数のカタカナ表記があるようですが弊社ではレデュースと表記しています。
レデュースポートの種類
フルポートは呼び径と同じサイズであるので、サイズは一種類ですが
レデュースポートの場合は呼び径から1サイズ小さいものと、2サイズ小さいものが存在します。
どちらもレデュースポートなのですが、わかりやすく区別するために弊社では
・1サイズ小さいものをスタンダートポート
・2サイズ小さいものをレデュースポート
と表現しています。
一段落ち、二段落ちと表現する方もみえますね。
レデュースポートを選定する理由
どうしてわざわざサイズを小さくしているの?
たくさん流れる方が良いんじゃないの?
確かに…そう思われますよね。
それではここからはレデュースタイプを選定するメリットについて説明させていただこうと思います。
配管システムでは、バルブだけではなく他の機器や配管レイアウトの影響によっても圧力損失は発生します。
配管設計では、装置や設備全体の圧力損失や構造的な強度を考慮して配管サイズが決定されます。
配管システム全体のバランスから見て、バルブの圧力損失の影響が少ない場合は、レデュースポートを選定することでコストを低減することができます。
ポートを小さくすると、弁体であるボール自体のサイズも小さくすることができます。
精密加工品であるボールは構成部品のなかでも価格ウェイトが大きく、サイズを小さくすることでコストダウンが可能となります。
軽量・コンパクトになるのもメリットですね。
また、ボールが小さくなると、バルブを操作するトルクも小さくて済みます。
自動弁に搭載している電動アクチュエータやエアシリンダの価格は出力トルクに比例して高価になります。
操作トルクが小さいレデュースモデルではより小型で経済的なアクチュエータが搭載できるので自動弁トータルでみると大きなコストダウンとなります。
スタンダードおよびレデュースモデルには個別にCv値が設定されています。
選定時にはこのCv値から必要流量を確保できることを確認してください。
フルポートモデルは全開時の圧力損失を考慮しなくても良いので固有のCv値は設定していません。
(トラニオン構造のGSシリーズや三方弁の場合はCv値を設定しています。)
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