技術情報Technical intelligence
振替入力式の電動弁には個別に接点を!2022.04.01
ACモータ搭載の電源振替入力仕様
シンクロナスやリバーシブル等のACモータを搭載した電動操作機(電源振替入力式)を複数台使用する際にご注意していただきたいことがあります。
ロータリーモーション式であるボール弁やバタフライ弁等は、ボールやディスクを90度回転させることで流体を制御します。
そのため電動弁の駆動源である電気モータは、開動作時と閉動作時とでは回転方向が逆になります。
CM1、AM1、AH1、AE1シリーズ等の電源振替入力仕様の電動操作機では、外部接点で電流の流れを「O」か「S」に振り替えることによってモータの回転方向が変わります。
シンクロナスおよびリバーシブルモータは、正回転用コイルと逆回転用コイルを有しており、そのコイルに流れる電流の位相で回転方向が決まります。
図1、概念図
実際の回路では、この位相を変えるために図2の様にコンデンサを利用して電流1に対して電流2の位相を90°進めています。
図2、実際の回路
接点を共有すると…
複数の電動弁を同じ接点で制御すると、図3の様に他の電動弁から電流2が回り込んで回転方向が定まらなかったりトルク不足を起こしたりします。
(電流1は電源と直接接続されているので影響ありません。)
図3、複数操作機の並列回路
制御用の接点に他の負荷を接続しても、同様の現象が発生してしまいますので注意が必要です。
図4の様にコンデンサ(C)を通った電流が、外部のランプ、リレー等(L)に流れてしまい、モータに流れる電流2が減少してしまいトルク不足等を引き起こします。
図4、他負荷との並列回路
接点は個別に設けましょう。
トラブルを回避するには図5の様に制御用の接点を個別に設け、回り込み回路ができないようにしてください。
(複数の接点を有するリレー等を使用してください。)
図5、接点を分けたレイアウト(複数電動弁)
図6、接点を分けたレイアウト(他負荷)
DCモータ搭載の電源振替入力仕様
同じ電源振替入力の操作機でもAD1、HD1シリーズではDCモータを搭載しています。
こちらの操作機では電源トランスと整流回路で作られたDC電源でモータを駆動します。
図7、AD1、HD1の回路図
こちらのシリーズではSとO端子の間にACモータ仕様のコンデンサにあたる部品が存在しておらず「R3」リレー接点により完全に分離されています。
他機器(図7のL)を接続した場合でも電流の経路ができないので、すぐには誤作動などの不具合は発生しません。
しかしながら、他機器の逆起によるサージ電圧などが操作機のリレーや回路に悪影響を与える可能性は否定できないため弊社では他機器との連動で接点を共有することは禁止とさせていただいております。
トラブルを回避するには図5や図6の様に制御用の接点を個別に設けてください。
a接点信号入力式という選択肢も
同一接点で複数台の制御が可能なモデルもラインアップしております。(a接点信号入力形)
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