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バルブの材質(ステンレス編)2021.04.16
幅広い用途に対応するため、弊社ではさまざまな材質のバルブをラインアップしています。
こちらでは、バルブ本体や弁体などに使用しているステンレス鋼について紹介していきます。
ステンレスの特徴
ステンレス鋼を英語で表記すると "Stainless Steel" です。
Stain Less=錆びの無い Steel=鉄 という意味なんだそうです。
ところが "Stein" の意味を調べると「染み」とか「汚れ」となっています…
金属のシミとかヨゴレはサビですよね?という連想なのでしょうか?
因みに「錆び」の英訳を調べると "Rust" …
確かに、Rust LessよりStain Lessの方が言いやすい様な気もします。
話が逸れてしまいましたが、ステンレスはその名のとおり、錆びにくく耐熱性や強度にも優れた金属です。
また、劣化しにくいので製品の寿命が長くなることや、使用後も廃棄物にならず約80%がリサイクルされている環境にやさしい材料でもあります。
ステンレスは、鉄にクロムなどを混ぜた合金で、耐食性が向上するのはクロムが12%以上添加されたときです。
クロムは酸素と結合し表面に酸化被膜を形成します。「不働態被膜」と呼ばれるこの膜が内部の金属を守ります。
また、ニッケルはこの不働態を形成しやすくする働きをするそうです。
ステンレスであることを表す記号で
「SUS」は "Steel Use Stainless" の略でステンレスを圧延加工した材料であることを表します。
「SCS」は "Steel Casting Stainless" の略でステンレスの鋳物であることを表します。
弊社製品に使用しているステンレス
●SUS304
クロムが18%、ニッケルが8%含まれることから18-8ステンレスとも呼ばれる、最も流通しているステンレスです。
●SUS316
SUS304のニッケル含有量を増やし、モリブデンを追加することで耐食性を向上した材料です。
●SUS316L
SUS316の低炭素材です。炭素量を減少することにより耐粒界腐食性を向上した材料です。
●SUS316Ti
SUS316にチタンを添加した材料です。炭素と結合しやすいチタンを添加することで耐粒界腐食性を向上した材料です。
●SUS410
13%以上のクロムを含むことから13クロムステンレスとも呼ばれるステンレスです。
炭素量が多いことから熱処理が有効で高強度です。また、耐摩耗性にも優れます。
●SUS410S
SUS410の炭素量を減らし、耐食性や成形性を向上した材料です。
●SUS420J1
焼き入れ状態での硬さが高く、SUS410よりも耐食性が向上しています。
●SUS420J2
SUS420J1よりも焼き入れ後の硬度がさらに高い材料です。
ここからは、鋳物材料となります。
●SCS13
SUS304に相当するステンレス鋳物材料です。
●SCS13A
SCS13とほぼ同じ特性のステンレス鋳物材料です。
SCS13とはマンガンの含有量が異なり、若干強度が向上しています。
●SCS14
SUS316に相当するステンレス鋳物材料です。
●SCS14A
SCS14とほぼ同じ特性のステンレス鋳物材料です。
SCS14よりもクロムの量を若干増やしニッケルを減らすことで、若干強度が向上しています。
●SCS16A
SUS316Lに相当するステンレス鋳物材料です。
●SCS11
オーステナイト・フェライト系(二相系)のステンレス鋳物です。
高クロムとモリブデンの添加により優れた耐食性を有します。
お気軽にお問い合わせください。
日本バルブコントロールズでは、ニードルバルブ、ボールバルブ、バタフライバルブ等、耐食性に優れるステンレス製バルブを数多く取り揃えております。
ステンレス以外の金属や樹脂製バルブも取り扱っております。
是非、弊社ホームページやカタログで幅広いラインアップをご覧ください。
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