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バルブの材質(鋳鉄編)2021.05.06

幅広い用途に対応するため、弊社ではさまざまな材質のバルブをラインアップしています。

弊社の自動弁に使用しているバルブの多くはステンレス製ですが、鋳鉄製のバルブも取り扱っております。

こちらでは、バルブ本体に使用している鋳鉄について紹介していきます。

鋳鉄の特徴

鋳鉄はフェライト、パーライト、炭素などで構成されています。

鋼材との違いは加える炭素の量です。鋳鉄には多くの炭素が追加されています。

 

なぜ炭素を多く加えるのか?

 

一般的な鋼材は1500℃以上熱を加えないと溶解しませんが、炭素を混ぜることで溶ける温度が1200℃程に低下します。
これは水に塩や砂糖を混ぜると氷になる温度が下がるのと同じ現象で、凝固点降下と呼ばれます。

鋳鉄は鋳物ですので、溶かした材料を型に流し込んで形を作ります。
成型時、型に流し込まれた材料は徐々に温度が下がっていきます。
凝固点が低いほど長く流動性を保つことができるので型の隅の細かいところまできれいに材料を流すことができます。

炭素を多く加えることで複雑で細かい形状のものでも成型できるようになるのです。

溶けた状態の鉄は多量の炭素が溶かせますが、温度が下がって固まると溶けきれずに析出した炭素が出てきます。
この析出した炭素が黒鉛と呼ばれているものです。鋳鉄の成分や冷え方によって析出の仕方が変わります。

一般的な鋳鉄である「ねずみ鋳鉄」は析出した黒鉛がフレーク状となっています。
この黒鉛の影響で表面がねずみ色なのでこの名前になった様です。

記号ではFCと表記され

FはFerrite(フェライト)

CはCasting(キャスティング)

をそれぞれ表しています。

 

弊社製品に使用している鋳鉄はダクタイル鋳鉄です。

こちらの記号はFCDとなりFCの後にDが追加されます。

このDはDuctile(ダクタイル)の頭文字です。

ダクタイルとは「延性」という意味で、鋼材の様に伸びる鋳鉄であることを示します。

ねずみ鋳鉄は延性が無く”脆い”ことが弱点です。これはフレーク状に析出した黒鉛に応力が集中することに原因があるのですが
ダクタイル鋳鉄は黒鉛を球状に析出させることで応力集中を緩和し”もろい”といった弱点を克服しています。

この特徴から球状黒鉛鋳鉄とも呼ばれます。

弊社製品に使用している鋳鉄

●FCD400

引張強度が400N/mm2のダクタイル鋳鉄です。

●FCD450

引張強度が450N/mm2のダクタイル鋳鉄です。

●FCD-S

より炭素の球状化率を高めて耐衝撃性を向上させたダクタイル鋳鉄です。

お気軽にお問い合わせください。

2方ボール弁、3方ボール弁、バタフライバルブ等、経済性に優れる鋳鉄製バルブも取り扱っております。

是非、弊社ホームページやカタログでラインアップをご覧ください。
ご不明な点は、お気軽にお電話や問い合わせフォームからご連絡ください。

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