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バルブの流量特性2022.11.01
今回は比例制御用バルブの流量特性についてのお話です。
比例制御弁はON・OFF弁とは異なり、全開⇔全閉だけでなく中間の開度で主に使用されます。
そのため比例制御弁では、定格Cvだけでなく開度の変化に伴うCv値の変化の仕方も選定のポイントとなります。
この変化を表しているのが流量特性です。
比例制御に使用できるバルブには個別に「固有流量特性」表を設定しています。制御の目的に応じて選定を行ってください。
弊社バルブの流量特性には、リニア特性とイコールパーセンテイジ特性(以下EQ特性)とがあります。
注意が必要なのは“流量特性”と表現していますが、特性グラフが表すのは実際の弁開度に対する流量ではなく
弁開度に対するCv値%であることです。
下図は特性のイメージです。
横軸がバルブの開度、縦軸がCv値%となっています。
リニア特性とは
言葉のとおり「直線的な」特性です。
弁開度(%)に対し、Cv値(%)が直線的に変化します。
リニア特性ではバルブ開度50%の時、Cv値%は50%となっています。
これは弁開度50%時のCv値は全開時のCvの50%であることを表します。
例:全開時のCv値が「0.34」のバルブの場合は開度50%でCv値が「0.17」となる。
リニア特性は、弁開度にかかわらずバルブ前後差圧に変化が少ない条件に適しています。
二次側が大気圧付近となるレイアウトや、ポンプのミニマムフロー制御(バイパス制御)等
プロセスの圧力損失の多くを調節弁が占める場合に有利となる特性ですね。
弊社ラインアップではニードル弁(NS、NH、NPシリーズ)が対象となります。
また、流量特性変換器(VSC-2L)を使用することでEQ特性のバルブをリニア特性に変換することも可能です。
変換器の詳細はぜひお問い合わせください。
イコールパーセンテイジ特性とは
弁開度が小さいときのCv値の変化が少なく、弁開度が大きくなるに従いCv値がグッと大きく増加します。
EQ特性ではバルブ開度が50%の時、Cv値%が約18%となっています。
例:全開時のCv値が「28」のバルブの場合は開度50%でCv値が約「5」となる。
EQ特性のグラフを見ると、こんな特性でちゃんと流量制御できるの?と思われるかもしれませんが
これは弁開度による圧力損失の変化を考慮しているためです。
バルブの開度が少ない場合は、流路が弁体によって絞られていますので圧力損失が大きい状態となっています。
開度を大きくしていくと、弁体による圧力損失が減り弁前後差圧も小さくなっていきます。
また多くの場合、調節用バルブの下流には様々な機器がレイアウトされていますよね。
レイアウトの都合上、配管も直管だけでなくエルボ等も存在しているかと思います。
配管に設置されたこれらも、圧力損失を生じます。
しかも圧力損失は流量の2乗に比例して大きくなります。
つまり、徐々にバルブを開けて流量を増やしていくと、バルブ下流(二次側)の圧力はエライ勢いで上昇することになるのです。
これらの影響によりバルブの前後差圧が小さくなると、同じCv値でも流量が増えにくくなります。
(流量はバルブの前後差圧に依存しますので…)
この様な条件の場合、リニア特性のバルブでは弁開度を大きくしても流量がなかなか増えない…といった現象が発生します。
ここでEQ特性の本領発揮となります。
弁開度が大きいほどCv値の増加率が大きくなっているのは、差圧が小さくなって流量が増えにくくなる現象をカバーするためなのです。
この特性によってバルブ開度と流量の関係は、結果的に比例関係に近づき、優れた制御性を実現できます。(メデタシメデタシ)
リニア特性とは逆に、調節弁の圧力損失がプロセスに占める割合が小さい場合に有利となる特性ですね。
弊社ラインアップではボール弁やバタフライ弁がEQ特性となっています。
ニードル弁でもNSシリーズでは一部サイズでEQ特性仕様が選択可能です。
流量特性を変更するには?
お客様の使用条件によってはボール弁やバタフライ弁でもリニア特性にしたい!
といったご要望もあるかと思います。
その際は、流量特性変換器をご検討ください。
比例制御弁に入力される4-20mA信号を任意のパターンに変換して弁開度を制御することでリニアに近い特性としてご使用いただけます。
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