選定のポイントPRODUCT GUIDE

⾃動弁選定の⼿引き Guide

製品案内ページには、弊社の代表的な製品を掲載しています。お客様のご要望にお応えするために各種バルブシリーズにON‐OFFから⽐例制御まで多種の操作機を⽤意しております。各シリーズの中からお客様の配管システムに最適で経済的な製品をお選びいただけます。ホームページに掲載されていない特殊仕様の⾃動弁の製作も⾏っておりますので、別途お問い合わせください。
掲載している製品の仕様や注意事項は代表的な内容です。詳細な内容は製品ごとの資料をご請求ください。

カタログの構成

仕様

バルブ毎に適応流体をシンボルマークで表⽰しています。選定時の⽬安としてください。
流体の性状や状態によっては使⽤できない場合もありますのでご注意ください。

  • 冷・温水
  • 気体
  • 蒸気
  • 科学薬品
  • 海水
  • スラリー

型式コード

全ての製品にアルファベットと数字で型式コードが付けられています。お問い合わせやご注⽂の際はこの型式コードでご連絡ください。

製作範囲

バルブの材質や呼び径、組み合わせる操作機によって同じシリーズ内でも標準品と準標準品があります。
標準品は部品在庫があり、標準納期で対応が可能です。
準標準品は部品在庫がなく、部品製作の納期確認が必要となります。
また、ご注⽂の数量や諸般の事情により標準品でも標準納期で対応できない場合がありますので、必ず納期の確認をお願いします。

ランクと操作機サイジング

バルブの操作トルクは流体性状、差圧、温度、シート材質等に⼤きく影響されます。諸条件を考慮し適切な操作機サイジングが必要です。同じ呼び径でも流体条件により操作機サイジングが異なる場合があり、ランクコードで区別されています。

ランクコード 1 軽荷重用 高潤滑性流体、限定された圧力・温度範囲の流体性状で選定可能
0 標準 清浄流体(100cP以下)またはそのシリーズの標準的な流体用
2 重荷重用 非潤滑性流体・溶剤・粘性流体(100~500cP)

異物混⼊、紛体、⾼粘度流体(500cP以上)、粘着性流体に使⽤する場合は別途打合せが必要です。また流体の成分がバルブの内部に析出・付着するおそれがある場合も使⽤条件、バルブ機種、ランクの選定に打合せが必要です。

材質

ボール弁のボール材質は、同じシリーズの同じ材質コードでも呼び径違い等で製造⽅法が異なる場合があります。材質記号は部品製造⽅法で変わりますが、本ホームページでは代表的な記号で表記しています。
例)015A〜025Aは切削加⼯品で「SUS 316」、032A〜100Aは鋳造品に追加⼯で「SCS 14」だがホームページ内表記では「SUS 316」のみで表記等。

Cv値・固有流量特性

Cv値とは流体を流す能⼒を⽰す流量係数のことで、各バルブは呼び径毎に固有のCv値をもっています。 Cv値は次のように定義されています。 15.6℃の清⽔をバルブの前後差圧1psiに保って流した際の流量をUSgal / minで表した数値。
すなわちCvが⼤きいとは、流量を流す能⼒が⾼いことを⽰します。
必要流量、⾒込み差圧(圧損)から必要Cv値が計算できますので機種、呼び径の選定に利⽤できます。必要Cv値の計算⽅法はカタログの技術資料ページを参照してください。⽐例制御に適したバルブには固有流量特性のグラフを記載しています。これは各呼び径の最⼤Cv値を100%とした各バルブの開度に対するCv値の変化を表しています。バルブの前後差圧がバルブの開度により変化する場合は実際の流量とは⽐例しません。⽐例制御モデルの選定に関しましては後述の⽐例制御⽤バルブの選定⽅法を参照してください。 フルポートの⼆⽅弁の場合、バルブの流体通過部が配管内径とほぼ同じであるため、Cv値を定義していません。

使⽤圧⼒と温度範囲

各バルブの使⽤可能な流体温度範囲は、その流体圧⼒により限定されます。使⽤圧⼒と温度範囲のグラフを参考にしてバルブを選定してください。流体性状により使⽤圧⼒・温度範囲内でも使⽤できない場合がありますので、選定の際は流体性状・仕様をご連絡ください。
100℃以上の⽔等、気液混合状態となる条件に関しましては、蒸気対応形のシリーズ以外は使⽤できない場合がありますので注意が必要です。
流体温度は熱伝導や輻射熱により搭載される操作機にも影響を与えます。保温施⼯⽅法や取付姿勢によっては操作機に悪影響を与える場合があります。弊社では断熱オプション等も幅広く扱っておりますのでご相談ください。

自動弁の寿命

操作機は20万回以上の耐久性を有しますが、バルブの寿命は使⽤する流体性状や使⽤条件により⼤きく異なります。
ボール弁を⽤いて⽐例制御を⾏う場合、使⽤後短期間で全閉時の内部リークが発⽣します。これはボールが中間位置に⻑時間あることによりシートのシール⾯が変形したり、偏摩耗したりするためです。内部リークが問題になる場合は、ON‐OFF形バルブを併⽤するか、全閉時のみ弁体がシートと接する構造のバタフライ弁の選定を推奨します。
直射⽇光や⾬⾵に晒される環境に設置すると、極端に寿命が縮まります。屋外に設置する場合は、⽇除けや⾬除けを設けることで⻑く安全にご使⽤いただけます。

バルブ選定上の注意 Caution

異常昇圧

ボール弁が全開または全閉状態でポケット(バルブ本体内部の、ボールとシートで形成される密閉空間)に閉じ込められた流体の圧⼒が、周辺温度や通過流体の温度上昇により異常に上昇することがあります。この影響によりシートが変形し、漏れや作動不良が発⽣することがあります。蒸気での使⽤等、温度変化が⼤きな条件の場合に注意が必要です。このような場合は、異常昇圧対策モデルを選定してください。(オプションで対応可能なモデルもあります。)
プラスチック製ボール弁等で使⽤する過酸化⽔素⽔(H2O2)次亜塩素酸ソーダ(NaClo)などの気化性液体はポケット内で気化し、異常昇圧を起こす恐れがありますのでご注意ください。気化により内圧が異常上昇した場合の気体は圧縮流体であるため、万が⼀バルブやシール部品が破損した場合、破⽚が⾶散する爆発的なものとなりますので⼤変危険です。

流速

バルブ全開時の最⼤管内流速は液体の場合3m/s、気体の場合は30m/s以下としてください。この流速を超える場合は別 途打合せが必要です。

キャビテーション

液体がバルブ内流路の絞られた部分を通過する際に流速が上がり、飽和蒸気圧以下となった液体が気化する現象が発⽣する場合があります。発⽣した気泡は絞られた部分を通過後、流速や圧⼒がもどり潰されます。この変化は⾮常に短時間で急激に起きるために強い衝撃波や振動、騒⾳をともないます。この気泡が発⽣し崩壊する現象がキャビテーションです。この現象はバルブや配管内部に損傷(エロージョン)を与えます。 管内の平均流速を計算し、最⼤管内流速以下になるように呼び径を選定してください。

ウォーターハンマー

エア作動操作機を搭載するバルブは、作動スピードが速いため、ウォーターハンマー現象が発⽣し、配管やバルブに衝撃圧がかかる場合があります。流体や配管条件によりウォーターハンマーが発⽣する可能性がある場合は、スピードコントローラを使⽤し操作機の作動スピードを調整してください。呼び径40A以下のバルブは1秒以上、50A以上は2秒以上を推奨します。

三方弁のタイプと漏れ

三⽅弁にはLポートとTポートタイプがあり、以下のような切換えフォームとなっております。Tポートタイプを選定される際はご希望のフォームを製品の型式コードに記⼊してください。

フローティング構造の三⽅弁は、閉⽌側ポートの圧⼒が⾼いと、流路側に漏れを⽣じます。
4⾯シート構造の三⽅弁は、閉⽌側ポートの圧⼒が⾼いと、流路側に僅かな漏れを⽣じます。
トラニオン構造の三⽅弁(L3, T3シリーズ)は、閉⽌側ポートの圧⼒が⾼い状態でも安定したシール性能を発揮します。

⽐例制御⽤バルブの選定⽅法 Method

⽐例制御弁とは

配管システムや装置の温度、流量、濃度等を⽬的の状態に制御するため、⼀般的に下図のような制御系が⽤いられています。調節計はセンサからの信号を受け、それを⽬的の値になるように⽐例制御弁の開度を変化させます。

⽐例制御弁とは、調節計の信号とバルブの開度を⽐例させるものです。流体の流量が⽐例するものではありません。流量はバルブの開度によるCv値とその時のバルブ前後差圧によって決まります。バルブには固有のCv値、流量特性、レンジアビリティがあり、それが制御性に⼤きな影響を及ぼします。

固有流量特性

固有流量特性表の縦軸に⽰す流量・Cv値(%)は実際の流量ではなくCv値(流体を流す能⼒を⽰す数値)のパーセント表記です。バルブ前後差圧が開度に関係なく常に⼀定の条件の場合(⼤気開放システム等)のみ流量・Cv値(%)は実際の流量と⽐例します。この場合はリニア特性をもつバルブが適します。 ⼀般的な制御システムでは、バルブ開度が⼤きくなるほど前後差圧が⼩さくなるため、イコールパーセント特性のバルブを使⽤する⽅が実際の流量とバルブの開度が⽐例に近くなり制御性が良くなります。

レンジアビリティ

⽐例制御弁には機種毎にレンジアビリティが設定されています。レンジアビリティとはバルブの制御性が良好な範囲で、制御できる最⼤Cv値と最⼩Cv値との⽐と考えることができます。全開Cv値が75でレンジアビリティが100:1となっているバルブの場合、良好に制御できる最⼩開度はCv値が0.75となる開度となります。

必要最⼤/最⼩Cv値の算出

予想される最⼩バルブ前後差圧で必要最⼤流量を流す場合のCv値を計算します。算出した値に⼀定の安全率を⾒込める全開Cv値を持つバルブを選定してください。予想される最⼤バルブ前後差圧で必要最少流量を流す場合のCv値を算出します。この値がバルブの全開Cv値×レンジアビリティ以上であることが使⽤できる条件となります。

呼び径を決定するうえでの注意

⽐例制御弁のサイズが⼩さすぎると必要流量が確保できないことはもちろんですが、必要以上に⼤きいとハンチング等の現象を引き起こし、作動が不安定になる、製品寿命が極端に短くなる等の悪影響が発⽣します。これらを防ぐためにプロセス全体を考慮し、適切な呼び径の選定が必要です。
配管径の変化などによる最⼤流量の確保のため⼀定の安全率(25〜60%)を設ける必要があります。安全率は、⼤きすぎると制御の安定性が悪化しレンジアビリティも⼩さくなってしまうので、制御対象の圧⼒損失や設定点の変動等を考慮して適度な安全率を⾒込むことが重要です。レンジアビリティの⼤きなバルブにおいても必要最⼤Cv値の4倍以内のCv値をもつバルブの選定が必要です。

配管条件の注意

⽐例制御弁の取り付け位置や⽅法も制御性に⼤きく影響を与えます。⽐例制御弁の上流や下流に、エルボ、レデューサ、⼿動弁等の偏流や乱流を発⽣させるものがあると、振動や騒⾳、ハンチング等の原因となり作動が不安定になることがあります。これらの現象を防ぐために⽐例制御弁の上流と下流には配管内径の6倍以上の直管部を確保してください。メイン配管からレデューサで配管径を絞ることによって流速を上げ、バルブ前後差圧を確保することは制御性の向上に有効ですが、必要最⼤Cv値に対する注意が必要です。レデューサは、偏流や乱流の発⽣が極⼒少なくなるよう、滑らかに絞るものを使⽤してください。

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